転生令嬢は謎の騎士に溺愛されています!?~地味スキルと言われましたが【待機】と【接続】で料理も魔法も思いのまま? 辺境で幸せになります!~
賑やかな笑い声が溢れる建物の前で、私の足が止まった。すぐ横には求人の掲示がある。
――ギルド受付嬢急募! 住み込み可・食事付き
吸い寄せられるように扉を開けると、野性味あふれる男たちの熱気と陽気な笑い声が渦巻いていた。
酒場を兼ねたホールでは、給仕の女性たちが軽やかに駆け回っている。
「あの……受付嬢の募集、まだやってますか?」
勇気を出してカウンターへ進み出ると、そこには熊のような巨漢の男性がいた。
「おう、お嬢ちゃん。随分と育ちが良さそうだが、こんな辺境に何をしに来たんだ?」
思わず背筋がピンと伸びてしまうのは、長年叩き込まれた教育の賜物。
でも、今の私はただの家なし娘だ。
「つい先程この街に着いたんですが、お恥ずかしながら所持金が底をつきそうで……。読み書きも計算も完璧にこなせます!」
男性は一瞬呆気に取られた後、地響きのような声で笑った。
「いいな、その気概。気に入った、採用だ! 二階の空き部屋も使っていい。家賃は給料から天引きだがな!」
周囲の冒険者たちからも「新人ちゃん、よろしくな!」なんて野次が飛んで、私は胸が熱くなった。
王都の社交界では絶対に味わえなかった、この雑で温かい歓迎。
「ありがとうございます! 頑張ります!」
「おう、俺はガルド。ギルドマスターだ。ユフィーリアは長いから、ユフィでいいか?」
「はい! ユフィで!」
新しい名前。新しい居場所。新しい私。