春のその先で、君と。



りのんに手を振って、歩き出す。


家から少し離れたところで、ふと振り返る。


さっきまでいた、りのんの家。


なんだか、すごく温かかった。


そして同時に。


家に帰ったら、また一人でご飯を食べるのかな。


そんな考えが、頭をよぎった。


俺は小さく息を吐いて、前を向いた。



「……母さん」



久しぶりに、その名前を口にした気がした。


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