春のその先で、君と。
放課後。
りのんを家まで送って、自分の家に帰る。
「……今日、返さなきゃいけないよな」
鞄を置いて、スマホを取り出す。
しばらく画面を見つめたあと、母さんの連絡先をタップした。
今朝届いたメッセージが表示される。
『誕生日おめでとう』
『あれから元気にしてる?』
『母さんはいつでも待ってるよ』
何度読んでも、最後の一文が胸に残る。
俺はゆっくりと文字を打ち始めた。
『ありがとう』
一度、送る。
それだけで少しだけ肩の力が抜けた。
でも、これだけじゃない。
ちゃんと返さなきゃ。
そう思って、もう一度文字を打つ。