春のその先で、君と。
「……これにしようかな」
「いいと思うよ」
「ありがとう、お母さん」
「どういたしまして」
私はもう一度鏡を見る。
今日は湊くんに会う。
そう思うだけで、胸が少しだけ高鳴った。
「……湊くん、かわいいって思ってくれるかな」
ぽつりと呟く。
すると、お母さんが笑った。
「恋するりのんは、今日もかわいいね」
「もう! それ言わないでよ……!」
恥ずかしくなって、顔を隠す。
「ふふっ」
お母さんの笑い声が聞こえる。