春のその先で、君と。
「それは気合い入れたくなるわね」
「うん……」
私は鏡に映る自分を見ながら、小さく頷いた。
「いつもと同じにするのもいいかなって思ったんだけど……せっかくの記念日だから、ちょっと可愛くしたくて」
「髪型で迷ってたの?」
「うん。どうしようかなって……」
「じゃあ、お母さんも一緒に考えようか」
「ほんと?」
「もちろん」
お母さんが私の髪を手に取る。
「これくらいの長さなら、こっちにしてみたら?」
「どう?」
「うん、かわいい」
鏡を見る。
さっきまでより、少しだけいつもと違う自分に見えた。