愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
 助手席のシートを倒して、二人狭い車内で重なる。

 大柄な吉竹先輩が上に覆い被さると窒息しそうになる。匂いもノブとは違って野性的だったから自然と息を止めてキスをした。

「アユ」

 吉竹先輩は、私の中で暴れながら、何度も私の名前を呼んだ。

  ″アユ 好きだ″と。

 好きな人には言って貰えない言葉を耳にかけられながら、私は、どうでもいい男の全てを体内で受け止めた。

この時、もっと良く考えれば良かった。

吉竹先輩がB型なんて思わなかったから。
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