愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)

「このまま、いいよ」

″ホテル ″といいかけた吉竹先輩の言葉を遮った。

「え、何で?」

「別にどこでも同じだから」


 好きじゃない男とセックスするなら、場所なんて何処でも良かった。甘い雰囲気も想い出も要らない。

 欲しいのは。
 ノブを捕まえておく、鎖だけ――

「マジか。ホテル代浮くからいいけど。家のワンボックスで来れば良かったな」

 吉竹先輩は、人気(ひとけ)の無い林道の脇に車を止めた。
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