愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
 人並みに幸せだと感じていた。


 ″あの日″までは。


「ノブ、(れん)が凄い熱だよ、どうしよう?」

「風邪じゃないのか?」

「分からない、夕方までは元気だったのよ」


 子供が一歳を過ぎた頃、真夜中に高熱を出して 救急病院へ連れて行った。

 アユは風邪を引いていたので、俺一人で車を走らせた。


「何かのウィルスに感染してるんでしょう、血液検査してみましょうね」

「え、こんな小さい子供から採血するんですか?」

 ベッドでうなされてる息子。
注射針なんかしたら大泣きするかもしれない。


「耳たぶから、ちょっと血を採るだけです。それに産まれたばかりの時は血液型が分からなかったでしょう? こういう機会に調べた方がいいんですよ」

 
 俺は、まさかの現実を突き付けられる事になる。


「蓮くんは、B型ですね」
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