愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
 アユは泣き崩れて、ワケの分からない事を言っていた。

「許して!」
「ごめんね蓮!蓮は悪くないのに!」
「それでもノブの事が好きなの!」



 泣きたいのはこっちだよ。


「ノブが私を愛してくれないから、吉竹先輩に頼んで妊娠するように一回だけしちゃったの」

 蓮は、よく知ってる男との子供だった。

 入院中は、その姿が可哀想でそこまで気持ちに変化は感じなかったが――。


 長い治療が終わってからは、蓮を見るたびに吉竹先輩の顔がちらついて、まともに見られなくなった。


 自然と注ぐ愛情は半減した。

 アユにも、

 子供にも。
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