🌸さくらのねがい🌸
「咲桜っ!」


「なに?飛び降りると思った?」



屋上のフェンスに寄りかかりながら私はそう言った。




「思った。」



「海斗《かいと》に心配かけたくないし、くだらないことしないよ?
今はすごい楽しいし、いい友達もいるし、それに私は家族の為に生きるんだから。」



「今年は、オレとも同じクラスだよ。」



「うん、もう心配いらないよ。大丈夫だから。
私はね海斗に好きなことをして欲しいんだよ。」





家が隣同士の幼馴染みで小さいときから一緒にいた、光井海斗《みついかいと》。
私のすべてを知っていてきっと私も海斗のすべてを知っている。はず・・・





海斗は好きなことを我慢している。



理由も知っている、っていうか聞こえちゃったから。



「もう私は大丈夫だよ。みんながいなくなって三年目の春だよ?
だからもう心配しなくて大丈夫だよ。」




「今日一緒に帰ろう。それで一緒に咲希たちに会おう。」


「ありがとう、咲希ちゃんも喜ぶよ。」



毎年の命日、必ず海斗は一緒に会いに行こうと言ってくれる。




____バタン


屋上の扉が開いて聞こえてきたのは親友の声。




「なに?密会?やっだー」っと弄る声。




「サラちゃん~っ!違うからっ!!!」




水瀬サラ(みなせさら)ちゃん、
中学が同じで、中学校へ入学したときに仲良くなった。
たまたま海斗と同じ陸上部でマネージャーをしていた。





「じゃあ、また、教室で待ってるから」


「うん、帰ってても大丈夫だからね」




「今さっき約束しただろーが!」


「サラちゃんとゆっくり話な」



「あ、ありがとう!」




海斗はすごく優しい、ほんとうに優しい。


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