🌸さくらのねがい🌸
「ただいま、咲桜。」
「さすがに俺の名前は覚えてた?」
「おかえり、慎ちゃん。」
「ごめんなさい、気づけなくて。
ごめんね、ごめん、咲希ちゃんいないの。」
慎ちゃんとも幼馴染。幼稚園から小学4年生の夏まで一緒だった。
ご両親のお仕事の関係で突然アメリカへ引っ越す事になって、
それからだから約7年ぶりの再会。
「うん、全部知ってる。俺は咲桜のことを探してたんだ。
よかった会えて、やっと会えた、会いたかった。生きててよかった。」
そう言って私のことを抱きしめる。
「慎ちゃん、離して。私、咲希ちゃんじゃないよ…。
それに、みんなに注目されてるんだけど…」
私と咲希ちゃんのことをよく間違えていた彼。
この人も咲希ちゃんのことが好き。
「うん、わかってるよ。昔から、ふたりの違い分かってるから。
ごめん、昔、揶揄ったり、意地悪して。」
泣きそうな声でそう言う。
幼稚園の頃から慎ちゃんは私にだけ意地悪で、
他の女の子には優しくて、咲希ちゃんにはとびきり優しかった。
「慎ちゃん、離して。みんな見てるから。」
「やだ。だって俺、痛〜っ!!」
そう言った彼を海斗が叩いていた。