🌸さくらのねがい🌸
「お邪魔します。」
ダイニングテーブルに相向かい座る。
「私、考えてたんだ。
中学卒業以来、明日香ちゃんに会ってなかったのに、突然目の前に現れたのか。
きっと会いたくなかったはずなのに。」
「私と話がしたいって言ってた。
それに私がパニクって謝ってたら、違うの。って言ってた。」
「私、明日香ちゃんと会って話そうと思う。」
そう伝えると海斗はやっぱり嫌そうな顔をしていた。
「オレは会ってほしくない。もう傷ついてほしくない。
これ以上嫌な思いしてほしくない。オレの大切な咲桜を傷つけないでほしい。」
「自分のこと大事にしてほしい。壊れてほしくない。
だから近藤に絶対に会わないでほしいって思う。」
私の目をまっすぐそう言う。
「ずっと隣にいてくれて迷惑も心配もたくさんかけたのに変わらずに一緒に居てくれて、
私、海斗にすごくすごく救われてきた。いつもありがとう。」
「でも信じてほしい、自分のこと大切にしたいから1歩前に進みたい。」
そう真剣に伝えた私に彼は「1歩前に進みたいか…」と呟いていた。
「海斗…?」
「俺も1歩前に進んでみようかな…」
「どういうこと?」
「ううん、なんでもない!独り言。」
「本当は会ってほしくないけど…
会う時、2人では会わないでほしい。」
「う、ん」
2人で会うつもりだったけど…
「オレのこと呼んで。」
「う、ん。」
「体調大丈夫?」
「もう平気。慎ちゃんにも謝らないとだね…」
「慎がたまたま通りかかって本当によかった。」
「あーあ。ケーキ食べたかったなー。夢ちゃんきっと心配してるだろうなー。」
「お店何時までなの?」
「18時迄だよ。もう閉まっちゃった。」
「そっかまた行こう。」
そんな会話をしていると自宅のインターフォンが鳴った。