冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
 ――大広間の正面の扉が開く。

「待ってもらおうか。この家の当主になる権利は俺にもあるはずだ」

 ひんやりと冷たい風が流れ込んできた。
 向こう側が暗いのだが、少しだけ日本人離れした長身の人物が姿を現したのは分かった。
 こちらに足を踏み入れてくると、サラサラの黒髪が揺れ動く。

「美桜から離れろ、順一」

 灯りの下、切れ長の鋭い瞳にすっと通った鼻筋に凛々しく引き結ばれた唇――雄々しき雰囲気のある美青年が姿を現した。黒カシミアのチェスターコートに、チャコールグレーのスーツを着こなしている。
 革靴の音を鳴らしながら、室内へと入ってきたのは……。

(恭司さん……!)
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