冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
「その女の子、絶対に恭司さんのことが好きだったんです。それに……恭司さん、私のことが初恋だって話してたけど、その女の子が実は初恋なんですね」
すると。
恭司が足を止めた。
「……今の流れで……あんた、圧倒的に鈍いな」
「む……?」
「まあ良いか。鈍いおかげで順一の好意にも気付かなかったんだろうしな」
美桜は少しだけ腑に落ちなかった。
(褒められてるのかな、けなされているのかな?)
考え事をしていたら、恭司が心底嬉しそうに微笑んだ。
(なんとなくモヤモヤしちゃう)
波の音が少しだけ遠くなった。
少しだけ落ち着いた照明が灯る自動扉を潜り抜ける。
ホテルマンへと挨拶を済ませるとエレベーターへと進んだ。
「ドイツの時もそうだったけれど、顔パスですね、恭司さん!」
「ん? そりゃあ、一応、俺が最高責任者だからだろう?」
「え……?」
「ドイツのホテルもこのホテルも、俺が代表だよ」
「ええっ……!?」
「ドイツの方はあっちの友人と共同経営だけどな。ついでに言えば、今日のためにここのホテルは貸し切りにしてある」
お金持ちだとは思っていたけれど、かなりの衝撃を受けてしまった。
(貸し切り……お金持ち、おそるべし……そういえば、スイートルームといえば最上階が定番だけれど……)
恭司は高いことろが苦手だけれど、どこの階に泊るのだろうか?
――案の上というべきか、最上階には止まらなかった。
お姫様抱っこされたまま部屋の中へと向かうと、奥まった豪奢な扉のある部屋へと辿り着く。
扉を開けて中に入ると、正面がガラス張りの綺麗な部屋へと辿り着いた。
まるで空と海がすぐ近くにあるかのような、そんな不思議な場所だった。
「海沿いだし、少し小高い場所にあるホテルだから、少し低い階でも海が観れて綺麗だろう? 俺みたいに高いところが苦手なやつもいるだろうしと思ってな」
「はい、確かにそうですね!」
恭司に降ろしてもらうと、美桜は窓ガラスへと立ち寄った。
足先から天井まで窓ガラスだ。
美桜は両手をぺたりとくっつけた。ひんやりして気持ちが良い。
「それにしても、恭司さん、このお部屋、外から丸見えですよ。開放的すぎます」
「ん? 外から俺たちの姿は見えない。見えるように設定もできるが、今はしていない。それに貸し切りだって話しただろう? 近くに誰もいないしな」
ふと、気付いた時には窓に張り付く美桜の背後に恭司の身体があった。
密着されてしまって逃げ場を失ってしまう。