目立ちたくない地味子ちゃんは、冷徹会長に遊ばれて。
「もう、会長ひどいよぉ」

ぷくりと頬を膨らませる小鳥遊くん。
その姿を見て、生徒会室に微笑みが漏れた。


「おやおや、会長サマは今日もつむぎちゃんを独り占めですか。心が狭いなぁ」



小鳥遊くんの後ろから、クスクスと楽しそうな笑い声を上げて入ってきたのは、会計・朔駆先輩。

金髪を軽く揺らし、着崩した制服のまま、私の顔を覗き込んできた。


「むぎ、これ、探してたって言ってた英語の参考書」

「えっ、朔先輩、わざわざ……!
ありがとうございます!」 

これ、ずっと探してた有名な参考書だっ!

「ちゃんといつか恩返ししてくれよー」

朔先輩は、私のことを『むぎ』と呼ぶ。
どこか放っておけない犬みたいだから、ペット感覚でむぎと呼ぶ、らしい。

嬉しくて思わず眼鏡の位置を直しながら微笑むと、私の背後から凄まじい威圧感が放たれた。
西園寺くんが、あからさまに大きな舌打ちをしている。
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