誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

エピソード67:大太后エレナへの牙

軍事・裏工作の両面で封じ込められたギルバート派は、ついに最も卑劣な「世論工作」へと手を伸ばした。


翌朝、王都の広場や大通りに、大量のビラがばら撒かれた。



『現王アルフレッドの母、エレナ大太后は、かつて王宮を惑わした下賤な平民である! その身体には賤民の血が流れており、王家の聖なる血脈を汚した毒である! 不浄の母から生まれたアルフレッドに、王の資格なし!』



過激な言葉でエレナを侮辱し、民衆の血統への蔑視を煽る卑劣な文書。

街の広場では、買収された演説者が大声でエレナを罵倒していた。

「母上を……侮辱するか」

報告を受けたアルフレッドの全身から、凄まじい殺気が溢れ出た。

部屋の温度が凍りつくほどの怒り。

「私を狙うのは構わん。だが……我が母を、命がけでこの国を守り抜いた母上を愚弄することだけは、絶対に許さん……!」

怒りに震えるアルフレッドの前に、第3側室セシルと第10側室アリアが駆け込んできた。

「アルフレッド様、落ち着いてください! 敵の狙いはあなたを感情的にさせ、判断を誤らせることです!」(アリア)

「……ええ。そして、エレナ様の『血』について……実は私とアリアで、ずっと隠された真実を調べていたの」(セシル)

セシルが差し出した古い皮の巻物。

そこに書かれていたのは、王国の歴史を根底から覆す驚愕の事実だった。
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