誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

エピソード66:北方からの冷徹な援軍

オリヴィアの毒殺未遂が偽装される中、ギルバート派は実力を示そうと、北方の国境付近で領主たちを買収し、小規模な兵の暴動(小競り合い)を発生させた。

「王都の混乱に乗じ、地方から攻め立てる気か。小賢しい」

執務室でチェス盤を睨むアルフレッドのもとに、大理石のような冷涼な雰囲気を纏った第7側室フリーダ・ノルディック(『氷晶宮』)が現れた。

フリーダは軍事大国の王女らしく、隙のない軍服姿で羊皮紙を叩きつける。

「アルフレッド。北方の小細工など、我が母国ノルディック王国の足元にも及ばないわ」

「フリーダ……何をする気だ?」

「母国の父王へ書状を送ったの。『クインテラ王国の若き王は、私を対等な臣下・妻として扱っている。ギルバートなどという傀儡に国を渡すわけにはいかない』とね」

フリーダは冷たく美しい笑みを浮かべた。

「我が母国の『凍土騎兵団』二千が、すでに国境を越えて軍事演習の名目で展開しているわ。ギルバート派の動かした賊軍は、今頃我が国の重騎兵に踏み荒らされている頃でしょう」

「……国家間の軍事介入か。大きな貸しになるぞ、フリーダ」

「貸しで結構。その代わり、この戦いが終わったら私と本気でチェスを指しなさい。……あなたという男は、負かす価値があるわ」


北方の氷雪の援軍により、ギルバート派の軍事的な恫喝は瞬く間に封殺された。
< 26 / 61 >

この作品をシェア

pagetop