きみが光るたび、淡くなる
「なにしてるんですか?」
舞台でこたちゃんが失敗をしてしまい、怒ったプロデューサーが腕を振り上げ、冬貴がそれをかばう。
もはや日常と化したその時間を止めたのは、冷たく人形のように整った容姿を持つ女性だった。
無表情のままプロデューサーの振り上げた腕を掴み、正論をぶつけていく女性。
結局プロデューサーは顔を真っ赤にして、マネージャーと去って行った。
「あ、あんた・・・なにを・・・」
思わずといったようにお絹がそう呟くと、女性は心底不思議だと言わんばかりに首を傾げた。
あまりにも端麗な容姿だったからか、人間ではないなにかに見つめられたような気持ちになって、口の中が乾く。
「あんたら頭大丈夫?」
単純なその疑問に、
「は、はぁ⁉」
冬貴が驚いたように目を見開いて素直に反応する。
「あのプロデューサーはハズレだよ」
ハズレ。
4年前、俺たちが言われた言葉だ。
正直、その言葉は好きではないけど・・・きっぱりとプロデューサーのことを否定してくれた女性に、少し気持ちが軽くなる。
そしてとなりでお絹と逢が唇を噛み、いつも見てるはずのその悔しそうな顔が、なぜかすごく痛ましく見えた。
気が付くと、
「俺たちをプロデュースしてくれませんか」
初対面で冷静な言葉を浴びせてくる、名前も知らないその女性にそう頼んでいた。
すると何事にも無関心そうなその女性は、案外情に厚いらしい。
こたちゃんの屈託のない笑顔が、最終的に背中を押したのか、
「・・・わかったよ」
仕方がないと言わんばかりの表情で了承してくれた。
その後も女性・・・雨瑠ちゃんは手厚く世話を焼いてくれて、寝床も、ボイトレの先生も、ダンスの先生も、すべて手配してくれた。
まさかお金持ちのお嬢様だとは思わなかったけど・・・。
「私は偉ぶるつもりはないし、プロじゃないし、年も数年しか離れてないから、タメ口でいいよ」
「上下関係を作るつもりはない」
そう言ってくれた雨瑠ちゃんは、必然的に俺たちに『この人は‟当たり”だ』と思わせてくれた。
出会った次の日にボイトレの先生のレッスンを入れてくれて、帰って来た時だって・・・。
「おかえり」
その一言が、どれだけ嬉しかったことか。
歓迎されてると、期待されてると感じられて、その期待に応えたいと思ってしまう。
プロデューサーのように、ではなく姉のような、母のような温かさと優しさで不器用ながら包み込んでくれる雨瑠ちゃん。
そんな、人生で初めて出会うタイプの女性に、俺は・・・。
舞台でこたちゃんが失敗をしてしまい、怒ったプロデューサーが腕を振り上げ、冬貴がそれをかばう。
もはや日常と化したその時間を止めたのは、冷たく人形のように整った容姿を持つ女性だった。
無表情のままプロデューサーの振り上げた腕を掴み、正論をぶつけていく女性。
結局プロデューサーは顔を真っ赤にして、マネージャーと去って行った。
「あ、あんた・・・なにを・・・」
思わずといったようにお絹がそう呟くと、女性は心底不思議だと言わんばかりに首を傾げた。
あまりにも端麗な容姿だったからか、人間ではないなにかに見つめられたような気持ちになって、口の中が乾く。
「あんたら頭大丈夫?」
単純なその疑問に、
「は、はぁ⁉」
冬貴が驚いたように目を見開いて素直に反応する。
「あのプロデューサーはハズレだよ」
ハズレ。
4年前、俺たちが言われた言葉だ。
正直、その言葉は好きではないけど・・・きっぱりとプロデューサーのことを否定してくれた女性に、少し気持ちが軽くなる。
そしてとなりでお絹と逢が唇を噛み、いつも見てるはずのその悔しそうな顔が、なぜかすごく痛ましく見えた。
気が付くと、
「俺たちをプロデュースしてくれませんか」
初対面で冷静な言葉を浴びせてくる、名前も知らないその女性にそう頼んでいた。
すると何事にも無関心そうなその女性は、案外情に厚いらしい。
こたちゃんの屈託のない笑顔が、最終的に背中を押したのか、
「・・・わかったよ」
仕方がないと言わんばかりの表情で了承してくれた。
その後も女性・・・雨瑠ちゃんは手厚く世話を焼いてくれて、寝床も、ボイトレの先生も、ダンスの先生も、すべて手配してくれた。
まさかお金持ちのお嬢様だとは思わなかったけど・・・。
「私は偉ぶるつもりはないし、プロじゃないし、年も数年しか離れてないから、タメ口でいいよ」
「上下関係を作るつもりはない」
そう言ってくれた雨瑠ちゃんは、必然的に俺たちに『この人は‟当たり”だ』と思わせてくれた。
出会った次の日にボイトレの先生のレッスンを入れてくれて、帰って来た時だって・・・。
「おかえり」
その一言が、どれだけ嬉しかったことか。
歓迎されてると、期待されてると感じられて、その期待に応えたいと思ってしまう。
プロデューサーのように、ではなく姉のような、母のような温かさと優しさで不器用ながら包み込んでくれる雨瑠ちゃん。
そんな、人生で初めて出会うタイプの女性に、俺は・・・。