きみが光るたび、淡くなる
「雨瑠ちゃん疲れた~」
「月葵、もう一回。『灯った』のところ音外れただろ。自分も気づいてるんだから、潔く戻れ」
「・・・はぁい」
宣言通り、私は仕事中、誰に対しても態度を変えないようにしていた。
出来ているかは他人の評価だから、どうかは分からないけど。
「相変わらず厳しいねぇうーちゃん」
「でも外れてたのは冬貴も気づいてただろ」
「まぁね。・・・でももう10回目か。つっちゃんも集中力切れてきたね」
そうだな・・・段々と上手くはなってきているが、集中力が切れているせいで完ぺきにはなれない。
「これで外したら一回休憩しよう」
月葵の喉も心配になってくるし、確かにつかれたとは思うのでそう声を掛けた。
「ほんと?・・・頑張る」
「あぁ、もう一回な」
やる気を出してくれてよかった。
デビュー5年目、新曲を出すたびにLUXEONは新鮮な反応をしてくれる。
新規ファンも増え続け、ライブも全国ツアーを完走し、メンバーがレギュラーを務める番組もいくつかできた。
国民的アイドルと呼ぶにふさわしい人気と風格。
それに対して驕ることのないメンバーの芯。
我ながら凄いグループが出来てしまったと感じている。
「行きまっす!」
「はい。・・・お願いします」
月葵からの合図が出たので音響さんにお願いし、10回目のレコーディングが始まった。

「・・・うん、いいんじゃないか。完璧だ」
「だよね!今のはいったって思った!」
集中力が切れていると思われたが、月葵の歌は完璧と呼べるものだった。
「次、絹」
「はーい」
「え、もう少し反応してくれてもいいのに・・・」
「月葵は休憩してこい」
月葵が終わったので、次は絹の番。
絹はレコーディングがうまいというか、強いのでメンバーの仲でも最短で終わる。
「やっぱり、いつものうーやんだね」
「ね。うっさんらしいというか・・・」
それを見て、こたと逢がそう言うので、きっと私は上手くできているんだろう。

♡────────────────────────────♡

『Micro cosmos』。琥太郎メインで、7500万回再生。
『きらいになれない』。絹メインで、8500万回再生。
『ライズ』。月葵メインで、8000万回再生。
< 61 / 68 >

この作品をシェア

pagetop