きみが光るたび、淡くなる
「う、ん・・・?に、煮込む・・・ってこと、なのか?なにで?フライパンで煮込める・・・?あ、油を使うのか・・・?いや、じゃがいもデカすぎるか・・・乱切り?ってなんだ・・・?」
肉じゃがに手こずりすぎて、もうずいぶんと時間がたっている。
絶対に間に合わない・・・と焦っていたその時。
「雨瑠ちゃーん?なんか手伝うよ」
一番に月葵が戻ってきた。
「お風呂入った後の外の風は気持ちいねー・・・ってえ⁉」
キッチンに立つ私と目が合った月葵が、目を見開く。
「どっ、どーしたの雨瑠ちゃん⁉そんな泣きそうな顔して・・・」
そ、そんなにひどいを顔しているだろうか・・・。
月葵はキッチンを覗き、少し笑った。
なるほどね、と言わんばかりの笑みだ。
「大丈夫だよ、雨瑠ちゃん。手伝ってあげる。一緒にやろ?}
「ん・・・料理はいつもしてなくて・・・でも、こんなにでいないとは思ってなかった・・・」
「あは、凹む雨瑠ちゃん可愛い。でも爆発しなくてよかったぁ、肉じゃが?っぽいね」
「そう・・・」
少し馬鹿にされたような気がしたが、反論できるような状況ではないので、素直に頷いておく。
「いいよ、これからは教えてあげるから、しばらくは一緒にやろっか」
「・・・ありがと」
どうやら月葵は料理ができるらしい。
料理配信でもやらせてみるか・・・?

「うん、そうそう!上手いね!」
「こ、こうか・・・?」
「合ってるよ!じゃあ次は・・・おぉ、凄い上手!」
褒め上手な月葵に乗せられていることを恥ずかしく思いながら料理をしていると、他のメンバーが次々と戻ってきた。
そして、キッチンで騒いでる私たちを見て、察したように顔を見合わせて笑う。
「うーちゃん料理苦手?やらせてごめんね・・・」
「月葵に全部やらせてもいいよ?」
と気遣ってくれる冬貴と絹。
「ちょっと凹んでる?可愛いとこあるねうっさん」
揶揄いモード100%人の気を知らない逢。
「天然さんなの?ギャップ萌え~可愛い♡」
ニコニコ笑顔で追い打ちをかけてくるこた。
きみたち、その『可愛い』は誉め言葉ではなく、傷心中の私の大きな傷に大量の塩を塗る行為だよ・・・。
「いや・・・頑張って少し経ったらできるようになるから・・・月葵ごめん」
「ん-?全然!久しぶりに料理するけど教えるって楽しいもんだね!」
気を遣っているのか、笑顔でそう言ってくれる月葵。
「でもさー」
私が申し訳ないオーラを出し始めたからか、絹が唐突に逆説を使って話題を変えた。
「まだ出会って2日だけどさ、最初と比べてうるやんキャラ変わったよねー」
「・・・え?」
私のキャラが変わった?
いや、今は料理が出来なくて凹んでるだけなんだけど・・・。
「あー、たしかにぃ」
末っ子こたも絹に同意し、となりで月葵も笑う。
逢はというと、ただニヤニヤしながらこちらを見ていた。
くそ、一番大人っぽい逢が、一番子供っぽくてムカつくかもしれない。
いちいち人の神経を逆なでしてくる奴だ・・・。
そんなことでムキーッと怒ったりはしないけども。
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