初恋が君に届くまで
食後のお茶を飲んでから、洗い物や洗濯、掃除にも取りかかる。
「つむぎ、そんなにしてくれなくていいから。座ってな」
「ううん。午後になったらフィラートの商品がたくさん届くでしょう? だから片付けておかないと」
「いいよ、俺がやる」
「じゃあ、お邪魔にならないところだけ手伝うね」
リビングの床に座ってラックから本や雑誌を取り出していると、ふと見覚えのある背表紙が目についた。
(これって……)
手に取ってケースの文字を見ると【青嵐高校 88期生 卒業アルバム】とある。
(やっぱり。綾瀬くん、手元に置いてあるんだ)
つむぎは見るのも恥ずかしくて、実家に置きっぱなしにしていた。
「ん? つむぎ、どうかしたか?」
不思議に思ったのか丈が近づいて来て、つむぎの手元を覗き込む。
「ああ、それか。同窓会の幹事をした年に実家から持って来たんだ」
「綾瀬くんが同窓会の幹事を?」
「そう、4年前かな。確か社会人1年目だったと思う。つむぎに会えるのを楽しみにしてたのに、クラス委員からつむぎの欠席連絡が来て落ち込んだ」
「え、そうなの?」
すると丈は少し拗ねたような表情を浮かべた。
「つむぎ、まだ信じてないだろ。俺が高校生の時からつむぎを想ってたってこと」
「うん、信じられない」
ガクッと丈は肩を落とす。
「なんでだよ!? どうやったら信じてくれるんだ?」
「だって私だよ? 高校時代もずっと端っこに生息してた、陰キャのすみっこぐらしだよ?」
「隠居?」
「陰キャ! 隠居はさすがにまだしてないよ」
「ははは! 縁側でお茶を飲んでるつむぎおばあちゃんも可愛いだろうな」
「もう、綾瀬くん! その頃には綾瀬くんだっておじいちゃんですからね?」
「そうだな。ずっと一緒に年を重ねていこう。俺達は高校生の頃からお互いを知っている」
え……とつむぎが言葉に詰まると、丈はつむぎのすぐ後ろの床に腰を下ろし、背後から両腕を回してアルバムを手にした。
「懐かしいな、俺達の青春時代」
耳元で聞こえる丈の声に、つむぎはなにも言葉を返せない。
丈はゆっくりとページをめくった。
「つむぎ、そんなにしてくれなくていいから。座ってな」
「ううん。午後になったらフィラートの商品がたくさん届くでしょう? だから片付けておかないと」
「いいよ、俺がやる」
「じゃあ、お邪魔にならないところだけ手伝うね」
リビングの床に座ってラックから本や雑誌を取り出していると、ふと見覚えのある背表紙が目についた。
(これって……)
手に取ってケースの文字を見ると【青嵐高校 88期生 卒業アルバム】とある。
(やっぱり。綾瀬くん、手元に置いてあるんだ)
つむぎは見るのも恥ずかしくて、実家に置きっぱなしにしていた。
「ん? つむぎ、どうかしたか?」
不思議に思ったのか丈が近づいて来て、つむぎの手元を覗き込む。
「ああ、それか。同窓会の幹事をした年に実家から持って来たんだ」
「綾瀬くんが同窓会の幹事を?」
「そう、4年前かな。確か社会人1年目だったと思う。つむぎに会えるのを楽しみにしてたのに、クラス委員からつむぎの欠席連絡が来て落ち込んだ」
「え、そうなの?」
すると丈は少し拗ねたような表情を浮かべた。
「つむぎ、まだ信じてないだろ。俺が高校生の時からつむぎを想ってたってこと」
「うん、信じられない」
ガクッと丈は肩を落とす。
「なんでだよ!? どうやったら信じてくれるんだ?」
「だって私だよ? 高校時代もずっと端っこに生息してた、陰キャのすみっこぐらしだよ?」
「隠居?」
「陰キャ! 隠居はさすがにまだしてないよ」
「ははは! 縁側でお茶を飲んでるつむぎおばあちゃんも可愛いだろうな」
「もう、綾瀬くん! その頃には綾瀬くんだっておじいちゃんですからね?」
「そうだな。ずっと一緒に年を重ねていこう。俺達は高校生の頃からお互いを知っている」
え……とつむぎが言葉に詰まると、丈はつむぎのすぐ後ろの床に腰を下ろし、背後から両腕を回してアルバムを手にした。
「懐かしいな、俺達の青春時代」
耳元で聞こえる丈の声に、つむぎはなにも言葉を返せない。
丈はゆっくりとページをめくった。