初恋が君に届くまで
会議室では真面目に仕事の話をし、昼休みになると友美や岡田と合流して近くのカフェに向かった。

「つむぎちゃんおめでとう! やっぱり俺の目に狂いはなかったな」

席に着くなり岡田は饒舌になる。

「綾瀬さんといい雰囲気だったもん。これは恋の予感がするって、俺のアンテナにビビッと来たよ。どうだ、俺ってすごいだろ?」
「なにがどうすごいのよ。ほら、早くメニュー選んで」

友美が軽くあしらうと、岡田は「恋のワンプレートを君とシェア」とのたまった。

「恥ずかしいからやめて。じゃあ煮えたぎる地獄の激辛デスチゲ鍋で」
「えっ、そんなのあるんだ?」
「あるか!」

想像通りの二人のやり取りに、つむぎも丈も笑い出す。

「お二人こそ、おめでとう。とってもお似合いですよ」
「いやー、綾瀬さん達とは系統が違いますけどね。俺達もラブラブです」

すると横から友美が口を挟んだ。

「私達と一緒にしないの。なんたって綾瀬さんは、高校の時からつむぎに片思いしてたんだからね」

そうなの?と岡田が驚く。

「そうなんです。10年越しにようやく想いが実って、本当に嬉しくて」
「おおー、綾瀬さんほどのイケメンにこんなこと言わせるなんて。むぎむぎ、ただ者じゃないね」

つむぎは「いえ、あの、私にはもったいないお話で」と身を縮こめた。

「そんなことないよ。でもこれからは綾瀬さんの愛を素直に受け取るんだよ? 男は好きな女を思い切り愛せるだけで幸せなんだから。ね? 綾瀬さん」
「ええ、おっしゃる通りです」

二人のやり取りに、つむぎと友美は顔を見合わせて真っ赤になっていた。
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