初恋が君に届くまで
友美と岡田が6月に挙式をすると決めた一方で、つむぎと丈は5月のゴールデンウィーク明けの週末に式を挙げることにした。

二人の思い出と言えば、やはりその季節のことが思い浮かぶからだ。

まさに青春の真っ只中。
ひたむきに体育祭に打ち込んだ時の真っ直ぐなつむぎの眼差しが、今もまだ色褪せずに脳裏に蘇る。

結婚式と披露宴は身内と仕事の関係者を中心に、二次会は高校の同級生をメインに招待することにした。

ちょうど毎年の同窓会の時期と重なる為、今年は二人の結婚パーティーと同窓会を兼ねることにしようと、早速幹事を名乗り出た数人が企画してくれる。

おかげで二人は、式と披露宴の準備だけに集中できた。

クリスマスを過ごしたホテルを会場に選び、慌ただしく準備に追われる。

丈がフィラートに定期訪問する日に、直接二人で植木やほかの同僚に挨拶して回った。

誰もが驚き、そして「おめでとう!」と祝福してくれる。

二人はそのたびに周りの人に感謝しつつ、幸せを噛み締めていた。

3月7日のつむぎの誕生日には、丈はつむぎに腕時計をプレゼントする。

文字盤が夜空のような藍色で、秒針の先に1等星のようなダイヤモンドがキラリと輝く。

「つむぎは俺の1等星だから」

そう言って丈はつむぎの腕に時計を着けた。

「よく似合ってる、つむぎ」
「きれい……。ありがとう、綾瀬くん。この時計と指輪があれば、離れていても綾瀬くんをそばに感じられる」

丈は頷いて、感激のあまり涙ぐむつむぎを優しく抱き寄せた。
< 85 / 91 >

この作品をシェア

pagetop