「俺、こんなことするのお前だけだから」って言う生意気な後輩くんに、不覚にもときめいてしまいました。
Episode two これって、もしかして……好きになられてる……のか?
それからの毎日、俺の心臓はちっとも平穏を保てていなかった。
図書室のカウンターで二人、貸出業務の手続きをしている時。
「先輩、この本のバーコード、上手く読み込めないです」
そう言って武琉が差し出してきた手に、俺の手が重なる。
引き剥がそうとしたのに、武琉はなぜか指を絡めるようにして、俺の手をぎゅっと握り込んできた。
「千歳……?」
「あ、すみません。先輩の手、冷たくて気持ちよかったので、つい」
悪びれもせず、でも耳を少し赤くして笑う。
別の日には、俺の制服の襟元にゴミがついていると言って、顔が触れそうなほど至近距離まで近づいてきた。
武琉の長い睫毛が揺れるのが見えて、俺は思わず息を止める。
「……お前、誰にでもそういう距離感なのか?」
たまらず、牽制のつもりで尋ねた。
どうせ、誰からも愛される天然タラシなのだろう。
そう思わなければ、この異常な動悸の説明がつかない。
すると武琉は、手に持っていた本をカウンターにコト、と置き、真剣な目で俺を見つめた。
「他の先輩にはこんなこと言いません」
「え……」
「俺、結弦先輩にしか興味ないんで」
直球すぎる言葉に、頭が真っ白になる。
これって、もしかして。
いや、まさか。ただの憧れとか、そういうやつだよな……?
そう自分に言い聞かせる大人の余裕は、もう限界を迎えつつあった。
図書室のカウンターで二人、貸出業務の手続きをしている時。
「先輩、この本のバーコード、上手く読み込めないです」
そう言って武琉が差し出してきた手に、俺の手が重なる。
引き剥がそうとしたのに、武琉はなぜか指を絡めるようにして、俺の手をぎゅっと握り込んできた。
「千歳……?」
「あ、すみません。先輩の手、冷たくて気持ちよかったので、つい」
悪びれもせず、でも耳を少し赤くして笑う。
別の日には、俺の制服の襟元にゴミがついていると言って、顔が触れそうなほど至近距離まで近づいてきた。
武琉の長い睫毛が揺れるのが見えて、俺は思わず息を止める。
「……お前、誰にでもそういう距離感なのか?」
たまらず、牽制のつもりで尋ねた。
どうせ、誰からも愛される天然タラシなのだろう。
そう思わなければ、この異常な動悸の説明がつかない。
すると武琉は、手に持っていた本をカウンターにコト、と置き、真剣な目で俺を見つめた。
「他の先輩にはこんなこと言いません」
「え……」
「俺、結弦先輩にしか興味ないんで」
直球すぎる言葉に、頭が真っ白になる。
これって、もしかして。
いや、まさか。ただの憧れとか、そういうやつだよな……?
そう自分に言い聞かせる大人の余裕は、もう限界を迎えつつあった。