因縁の魔王陛下と聖女令嬢~溺愛の呪いが解けない~
気付けば戦いは一時休戦となり、両国の兵士たちはエリーゼとアゼルたちを取り囲むようにして成り行きを見守っている。
アゼルは先ほどから動きもせずに言葉も発しない。様子がおかしい事に気付いたセレンは背後から少し近付くと、アゼルの背中に目を凝らしてみる。
(え? アゼル様の呪いの封印が解けてる)
アゼルの魂を覆って呪いを封印しているはずのセレンの結界が消えている。という事は、今のアゼルには『溺愛の呪い』が再び発動している。
先ほどエリーゼは、セレンの結界を破壊するために聖力を放った。それが強力すぎてアゼルの魂の結界まで一緒に吹き飛ばしてしまった。
アゼルの手から剣が落ちて地面の上で跳ねる。それは降伏の意味ではない。空いた両手はエリーゼを求めて大きく開かれる。
「我が愛する妻、エリーゼよ。貴様の愛、確かに受け取ったぞ。共に世界征服という愛の道を歩もうではないか」
エリーゼの愛の言葉で高揚したアゼルの溺愛モードは、聞いていて恥ずかしいほど過剰に加熱して加速していく。
「さぁオレの元へ来い。腰が立たなくなるほどに抱いてやる、愛してやるぞ!!」
「だ、誰が、あんたの元なんかに……!!」
アゼルの溺愛の強さに共鳴して、エリーゼの『溺愛の呪い』の効力も跳ね上がる。
(どうしたのかしら、胸が熱い……足が勝手に……あぁ、アゼル……アゼル……)
心の声とは裏腹に、一歩また一歩とエリーゼの足はアゼルの胸の中へと向かって歩を進めていく。
まるで吸い寄せられるようにしてエリーゼとアゼルとの距離が縮まっていく。
そんな休戦状態の戦場の裏で唯一、激しい戦いが続いている場所があった。
剣を弾かれて落馬したアーサーの前でロイアルも馬から降りると、剣先をアーサーの喉元に突きつける。
「なんだ、大将のくせに大した事ないね。さっさと首を持ち帰って昼寝でもしよう」
アーサーを追い詰めたロイアルは感情のない瞳で口元だけを歪めて笑った。
アゼルは先ほどから動きもせずに言葉も発しない。様子がおかしい事に気付いたセレンは背後から少し近付くと、アゼルの背中に目を凝らしてみる。
(え? アゼル様の呪いの封印が解けてる)
アゼルの魂を覆って呪いを封印しているはずのセレンの結界が消えている。という事は、今のアゼルには『溺愛の呪い』が再び発動している。
先ほどエリーゼは、セレンの結界を破壊するために聖力を放った。それが強力すぎてアゼルの魂の結界まで一緒に吹き飛ばしてしまった。
アゼルの手から剣が落ちて地面の上で跳ねる。それは降伏の意味ではない。空いた両手はエリーゼを求めて大きく開かれる。
「我が愛する妻、エリーゼよ。貴様の愛、確かに受け取ったぞ。共に世界征服という愛の道を歩もうではないか」
エリーゼの愛の言葉で高揚したアゼルの溺愛モードは、聞いていて恥ずかしいほど過剰に加熱して加速していく。
「さぁオレの元へ来い。腰が立たなくなるほどに抱いてやる、愛してやるぞ!!」
「だ、誰が、あんたの元なんかに……!!」
アゼルの溺愛の強さに共鳴して、エリーゼの『溺愛の呪い』の効力も跳ね上がる。
(どうしたのかしら、胸が熱い……足が勝手に……あぁ、アゼル……アゼル……)
心の声とは裏腹に、一歩また一歩とエリーゼの足はアゼルの胸の中へと向かって歩を進めていく。
まるで吸い寄せられるようにしてエリーゼとアゼルとの距離が縮まっていく。
そんな休戦状態の戦場の裏で唯一、激しい戦いが続いている場所があった。
剣を弾かれて落馬したアーサーの前でロイアルも馬から降りると、剣先をアーサーの喉元に突きつける。
「なんだ、大将のくせに大した事ないね。さっさと首を持ち帰って昼寝でもしよう」
アーサーを追い詰めたロイアルは感情のない瞳で口元だけを歪めて笑った。