毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
そうしてゼンティに連れて行かれた部屋は壁も床も、長方形の大きなテーブルに至るまでが銀色に囲まれた食堂。
銀髪の王だから銀色が好きなのだろうか。少しでも触ったら指紋で汚しそうで怖い。
ゼンティの隣の席に座らされて、少し距離を置いた先の席にアレンが座っているのが見える。近衛兵だからいつでも王の側に控えているのだろう。
10人くらい座れそうなテーブルだが、この3人だけで使うのは贅沢だ。
何よりもテーブルの上に運ばれてきた料理にリィラは目を見張った。……良い意味で。
「これって、普通のハンバーグと普通のお米?」
「ふふ、本当に面白いなぁ、リィラちゃんは。他に何に見えるの? 僕の大好物のハンバーグだよ」
「……何の肉?」
「ビーフ100パーセントだよ!」
センティの人格を真似ているとはいえ、子供のように無邪気に喜ぶゼンティは不覚にも可愛らしいと思ってしまう。
それにしても獣魔が人間と同じ食生活だなんて驚いた。人を捕食するくらいだから、もっと血生臭い主食を想像していた。
ゼンティの好物というよりも、生前のセンティの好物がハンバーグだったのかもしれない。
「ほら、リィラちゃんも食べて」
「……いただきます」
恐る恐る両手にナイフとフォークを握ってハンバーグを口に運ぶが、その味は人間の自分でも驚くほどに美味しい味付けだった。
その時、ゼンティは握っていたフォークをテーブルの上に落としてしまった。小さな金属音を響かせて銀のフォークが銀のテーブルの上で踊り跳ねる。
ゼンティはフォークを握っていた左の手の平を広げて不満そうに見つめる。
「……まだ動かしにくいなぁ、この体。上手く握れないや」
今日まで獣の姿で生きていたのだから当然だろう。急に人間と同じ動作はできない。
隣のリィラしばらく何も言わずにゼンティの危なっかしい手元を横目で見ていた。
銀髪の王だから銀色が好きなのだろうか。少しでも触ったら指紋で汚しそうで怖い。
ゼンティの隣の席に座らされて、少し距離を置いた先の席にアレンが座っているのが見える。近衛兵だからいつでも王の側に控えているのだろう。
10人くらい座れそうなテーブルだが、この3人だけで使うのは贅沢だ。
何よりもテーブルの上に運ばれてきた料理にリィラは目を見張った。……良い意味で。
「これって、普通のハンバーグと普通のお米?」
「ふふ、本当に面白いなぁ、リィラちゃんは。他に何に見えるの? 僕の大好物のハンバーグだよ」
「……何の肉?」
「ビーフ100パーセントだよ!」
センティの人格を真似ているとはいえ、子供のように無邪気に喜ぶゼンティは不覚にも可愛らしいと思ってしまう。
それにしても獣魔が人間と同じ食生活だなんて驚いた。人を捕食するくらいだから、もっと血生臭い主食を想像していた。
ゼンティの好物というよりも、生前のセンティの好物がハンバーグだったのかもしれない。
「ほら、リィラちゃんも食べて」
「……いただきます」
恐る恐る両手にナイフとフォークを握ってハンバーグを口に運ぶが、その味は人間の自分でも驚くほどに美味しい味付けだった。
その時、ゼンティは握っていたフォークをテーブルの上に落としてしまった。小さな金属音を響かせて銀のフォークが銀のテーブルの上で踊り跳ねる。
ゼンティはフォークを握っていた左の手の平を広げて不満そうに見つめる。
「……まだ動かしにくいなぁ、この体。上手く握れないや」
今日まで獣の姿で生きていたのだから当然だろう。急に人間と同じ動作はできない。
隣のリィラしばらく何も言わずにゼンティの危なっかしい手元を横目で見ていた。