毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
そんな事を思うリィラの後ろからアレンが一歩前に出た。アレンの姿に気付いたレンは絶句した後に再び声を上げる。
「アレン……!? あなたまで生きてましたの!?」
「はい、レンティ様。ご心配をおかけしました」
「本当に、本当にアレンですの……? 信じられない、夢みたい……」
レンの本名はレンティというらしい。レンティはアレンに対しては声を震わせて歓喜しているように見える。
ここでようやく、ゼンティはリィラの肩を引き寄せてレンティの正面に立たせる。
「それで、彼女はリィラちゃん。ここに帰る途中の森の中で倒れてたから保護したよ。どうも記憶喪失らしくてさ」
リィラはゼンティの言葉を黙って聞いていた。話を合わせろと言われていたが、記憶喪失の設定にされてしまった。
レンティはリィラに目を合わせると、疑いもせずに丁寧に頭を下げた。
「それは大変でしたわね。私はセンティの妹で、アディール国の王女・レンティと申しますわ」
「あ、初めまして、私は記憶喪失のリィラです……」
妙な自己紹介と下手な演技に、隣のゼンティが軽く吹き出した音が聞こえた。ヒメはいつの間にかアレンの足元にいる。
レンティは嫌な顔も疑いもせずにリィラを気遣う。
「ではリィラさんにはお部屋をご用意……」
「その必要はないよ」
ゼンティはリィラを強引に自分の胸へと引き寄せて抱きしめる。
「僕の部屋で一緒に住むから」
「え……お兄様、どういう事ですの?」
呆気に取られて戸惑うレンティだが、リィラにはゼンティの思惑が伝わる。それが演技で嘘であったとしても、なぜか胸が高鳴る。
「僕、リィラちゃんに惚れちゃったんだ。だから結婚するよ」
偽りのセンティ王子となったゼンティは、アディール王国でもリィラを娶るつもりだった。
「アレン……!? あなたまで生きてましたの!?」
「はい、レンティ様。ご心配をおかけしました」
「本当に、本当にアレンですの……? 信じられない、夢みたい……」
レンの本名はレンティというらしい。レンティはアレンに対しては声を震わせて歓喜しているように見える。
ここでようやく、ゼンティはリィラの肩を引き寄せてレンティの正面に立たせる。
「それで、彼女はリィラちゃん。ここに帰る途中の森の中で倒れてたから保護したよ。どうも記憶喪失らしくてさ」
リィラはゼンティの言葉を黙って聞いていた。話を合わせろと言われていたが、記憶喪失の設定にされてしまった。
レンティはリィラに目を合わせると、疑いもせずに丁寧に頭を下げた。
「それは大変でしたわね。私はセンティの妹で、アディール国の王女・レンティと申しますわ」
「あ、初めまして、私は記憶喪失のリィラです……」
妙な自己紹介と下手な演技に、隣のゼンティが軽く吹き出した音が聞こえた。ヒメはいつの間にかアレンの足元にいる。
レンティは嫌な顔も疑いもせずにリィラを気遣う。
「ではリィラさんにはお部屋をご用意……」
「その必要はないよ」
ゼンティはリィラを強引に自分の胸へと引き寄せて抱きしめる。
「僕の部屋で一緒に住むから」
「え……お兄様、どういう事ですの?」
呆気に取られて戸惑うレンティだが、リィラにはゼンティの思惑が伝わる。それが演技で嘘であったとしても、なぜか胸が高鳴る。
「僕、リィラちゃんに惚れちゃったんだ。だから結婚するよ」
偽りのセンティ王子となったゼンティは、アディール王国でもリィラを娶るつもりだった。