毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
こうしていとも簡単にアディール国の王城に到着した一行だが、さらにその先も怖いほどに順調に進む。
見張りの兵が守る城門すら、ゼンティの顔を見るなり簡単に通した。当然ながら王子の顔パスである。
センティ王子が死んだ事実は市民も兵士も誰も知らないようだ。だとすると、もっと上の身分の者が隠蔽しているのだろう。
「ふふ。僕は生きてる事になってるから、逆に都合がいいよね」
ゼンティは楽しそうに笑いながら小声でリィラに囁くが、リィラは緊張でそれどころではない。
ゼンティとアレンはいいが、リィラは一般人。王子の連れという事で許されているのだろうが、普通は王城に入れない。
リィラはヒメをぬいぐるみのように抱いて歩いている。そして隣を歩くゼンティに小声で話す。
「ねぇ、ここからどこへ行くの?」
「……行かなくても向こうから来たよ。ほら」
ゼンティが前方を向いて立ち止まったので、横のリィラも後方のアレンも同時に立ち止まる。
エントランスホールの先から、真っ白なドレス姿の女性が早歩きで近付いてくる。
「お兄様っ!!」
ゼンティの顔を見るなり、女性は驚きに声を上げた。そして同時にリィラも驚きに声を失う。
この女性は容姿がゼンティにそっくりで、年齢は少し下。銀色の長い髪はふんわりとウェーブがかかっていて上品で美しい。
そしてゼンティを兄と呼ぶところから、この女性がセンティ王子の妹だと分かった。
「センティお兄様……まさか、そんな……生きていただなんて……」
「うん。レンには心配かけたね、ごめんね」
ゼンティは笑顔で答えるが、それが作り笑いなのはリィラにも分かる。
それと同時に、リィラはレンと呼ばれた王女の表情にも違和感を覚える。
死んだはずの兄が生きていたのだから驚くのは当然だが、嬉しそうな感情は見えない。
見張りの兵が守る城門すら、ゼンティの顔を見るなり簡単に通した。当然ながら王子の顔パスである。
センティ王子が死んだ事実は市民も兵士も誰も知らないようだ。だとすると、もっと上の身分の者が隠蔽しているのだろう。
「ふふ。僕は生きてる事になってるから、逆に都合がいいよね」
ゼンティは楽しそうに笑いながら小声でリィラに囁くが、リィラは緊張でそれどころではない。
ゼンティとアレンはいいが、リィラは一般人。王子の連れという事で許されているのだろうが、普通は王城に入れない。
リィラはヒメをぬいぐるみのように抱いて歩いている。そして隣を歩くゼンティに小声で話す。
「ねぇ、ここからどこへ行くの?」
「……行かなくても向こうから来たよ。ほら」
ゼンティが前方を向いて立ち止まったので、横のリィラも後方のアレンも同時に立ち止まる。
エントランスホールの先から、真っ白なドレス姿の女性が早歩きで近付いてくる。
「お兄様っ!!」
ゼンティの顔を見るなり、女性は驚きに声を上げた。そして同時にリィラも驚きに声を失う。
この女性は容姿がゼンティにそっくりで、年齢は少し下。銀色の長い髪はふんわりとウェーブがかかっていて上品で美しい。
そしてゼンティを兄と呼ぶところから、この女性がセンティ王子の妹だと分かった。
「センティお兄様……まさか、そんな……生きていただなんて……」
「うん。レンには心配かけたね、ごめんね」
ゼンティは笑顔で答えるが、それが作り笑いなのはリィラにも分かる。
それと同時に、リィラはレンと呼ばれた王女の表情にも違和感を覚える。
死んだはずの兄が生きていたのだから驚くのは当然だが、嬉しそうな感情は見えない。