イケメンすぎる、君が好き。

大大大大大好きだ!!!

「……。」

その言葉に、葵がふっと俯いた。

その反応に、俺は一瞬だけ目を瞬かせる。

さっきまでなら、こんなことを言われても笑って流していたはずなのに。

葵の指先が、制服の裾をぎゅっと摘まんでいた。

「……。」

最近、何度も言われた言葉。

『小野寺くんより桐生くんのほうがかっこいいじゃん』

『王子の彼氏って、意外と普通じゃない?』

『桐生くんと並んでると、小野寺くんが弟みたいに見える』

冗談半分の言葉だと分かっている。

悪気がないことも分かっている。

それでも。

少しずつ積み重なっていたものが、今の一言で一気に重くなった。

――私、本当に遥の彼女に見えてるのかな。

柄にもなく、そんなことを考えてしまう。

「……。」

葵が俯いたまま黙っている。

それを見た瞬間。

「ちょっとあんた――――!」

美優が一歩前へ出た。

拳まで握っている。

「その顔で葵のこと馬鹿にするとか、どういう神経――」

「美優。」

横から颯汰が腕を掴んだ。

「落ち着いて。」

「でも!」

怒り全開の美優を抑えながら、颯太は意味ありげにふっと笑った。

「遥の見せ場、盗らないであげてよ」

「え?」

美優が勢いを失って力を抜く。

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