イケメンすぎる、君が好き。
葵はしばらく何も言わなかった。

ただ、俯いたまま制服の袖をぎゅっと握っている。

そして―――。

「……私も。」

小さな声だった。

ふわりとはにかむように笑う。

「遥の彼女で、よかった。」

「……。」

今度は俺が固まる番だった。

「……それ、反則。」

「え?」

「今のは……反則だろ。」

顔が熱くなる。

横から美優が吹き出した。

「はいはい、ごちそうさま!」

颯汰も肩を揺らしている。

「なんだかんだ、いつもの二人に戻ったねぇ。」

「うるせぇ……。」

「よかったじゃん、葵。」

美優がそう言うと、葵は少し照れながら笑った。

「……うん。」

その笑顔は。

学校中から「王子」と呼ばれるような、完璧な笑顔じゃなかった。

少し恥ずかしそうで。

ちょっと困ったようで。

それでも、嬉しそうで。

――俺が一番好きな、葵の笑顔だった。

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