イケメンすぎる、君が好き。
その時、また葵にボールが渡った。

会場の視線が、一気に集まる。

相手を見据える葵。

その横顔は、いつもの優しい彼女じゃなくて。

勝つために戦う、一人の選手だった。

「……」

また、思う。

俺は本当に、すごい人を好きになったんだなって。

でも、そんな人が試合前に俺を見つけて笑ってくれた。

頑張れって言った俺に、嬉しそうにガッツポーズを返してくれた。

それだけで俺は世界一幸せな自信がある。

「葵!」

気付けば、また声が出ていた。

「頑張れーーーっ!!!!!」

体育館に響いた俺の声に。

コートの中の葵が、一瞬だけこっちを見る。

そして、ニッと明るく笑った。

いつもとは少し違う笑顔。

誇らしげで、楽しげな顔だった。

< 68 / 86 >

この作品をシェア

pagetop