冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
 それにしたって間が持たない。

 タオルで髪を乾かしながら息を吐く。

 コーヒーを淹れた後、そそくさと必要なものを買いそろえるためにコンビニへ走った。帰ってからは、勧められるままにシャワーを浴びる流れになり、異性の家でバスルームを使うことに躊躇いがすごかったのだが、反論は許されない雰囲気だったのでおとなしく従う。

 念のため、使用後はお湯を入れ替え簡単に掃除し、この後使う三神さんが不快にならないよう注意を払った。

 下着は売っていたもののさすがに服まで入手できず、同じものを着ようと思ったところでバスルームに入る前に三神さんが自分の部屋着を手渡してきたので、つい受け取ってしまった。

 どこまで迷惑をかけているんだろう、私は……。

 自己嫌悪で、さっきからため息ばかりをついている。

 三神さんから借りた服はスウェットのセットアップで肌触りがとてもいい。しかし大きすぎるので、袖と裾をめくり上げ、なんとか体裁を整える。ウエストは絞れるタイプで助かった。

 なんとも不格好だがしょうがない。おまけにすっぴんだし、髪も無造作に下ろした状態で湿っている。

 鏡で自分の姿を確認して、つくづく自分には女性としても大人としても魅力がないと落ち込む。

 気を取り直してバスルームを出ると、三神さんは電話中だった。ちょうど私が近づいた際に話が終わったらしく、電話を切ったタイミングで彼がこちらを向いたので、私は頭を下げた。
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