ポリスラインを翔びこえて

やばい、日付越えてるの全然気付かなかった……。


「ご、ごめんね、今日はもう帰らなきゃ」

「もしここで帰さなかったら今度こそ二度と会えなくなるんでしょ?」

「うん、家族が…特にセイ兄には、炎くんと会ったことすぐばれたから今日も気をつけなきゃいけないのよ」

「……セイ兄、ってさ」

「うん?」

「アオちゃんのこと食べようと思えば食べられるよね」

「……は?どういう意味?」

「戸籍上は家族だけど、もとは他人の男女だから」

「せ、セイ兄は私をそういう目で見てなんか……」


はっとして口を噤む。


──『ちょっと後ろ失礼』
──『はい、これでよし』

そう言って私のうなじに触れたセイ兄。

──『誰かにうなじ吸われた覚えある?』
──『どんな虫に刺されたのかなあ』
──『ねえ、セイ兄さんって本当に兄妹?』

そのうなじについて尋ねた犬井くん。


──『ひとのモノとわかっていながらマーキングするやつは例え羽虫でも徹底的に潰しておかないと』

 ひとのモノ。 マーキング。羽虫。 潰す。
…セイ兄のモノ。キスマーク。他の男。消す。

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