ポリスラインを翔びこえて

ついにこの時が来たか、とでも言いたそうな深いため息をひとつ。


「それからまこちゃんは、まだあの男と会っている」

「あの野郎のことがまだ忘れられないのか、真は」

「昨日、烏轟組と赫龍組の抗争があった。そこでまこちゃんは赫龍組の若頭と接触し、こっそり逃していた」

「……はあ。全く頑なな娘だな」

「あの男は一体何を企んでいるんだ、警察官に近づいて情報を抜こうとしているようにも見えない。ただまこちゃんをたぶらかして遊んでいるだけだったら何よりも許せない」


父はもう一度深い深呼吸をひとつして、ゆっくりこちらを向いて言う。


「誠、お前に託したいことがある」

「…なに、父さん」

「あの男を処分しろ」

「……言われなくてもそのつもり」

「殺せとまでは言っていない、真に近づかなくなるよう手を尽くせ」

「わかってる」

「それから、真はお前にやる」

「言われなくてもその……え?」
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