ポリスラインを翔びこえて
しかーし。
勤務を終えて帰宅すると、そこは穏やかじゃなかった。
「一日帰らなかったとはどういうことだ?」
「れ、連絡したよ!ちゃんと夜も朝もお昼休みも職場出る時も!」
「その善行は認める。だがしかし!誰の服だそれは!人様に世話を焼いておきながら菓子折りの一つも渡さないのか?」
「そ、それはこれから準備するんだって……」
「事前に計画していた宿泊ならこんなことにはならないはずだ。急に押しかけたということだろう?とんだ粗相じゃないか。蒼羽家に泥を塗らないでくれ!」
パパは凄まじい剣幕でお怒りの言葉を吐く。
いつも厳しいけれど今日は格別に厳しい口調。
「まあまあ、まこちゃんはもう子どもじゃないんだし、いいお年頃じゃない。色恋のひとつくらいあるわよ、ねぇセイちゃん」
キッチンからママが言う。
「そんな話は最近聞いたことないが……まこちゃん、どうなんだい?」