ポリスラインを翔びこえて
恋愛に疲れた私はもう男に振り回されず一人で生きていくんだって決めたんだ。
自立した強い女性になりたい。
そう、思っていたのに……。
「炎、真斗……」
頭から離れない。
心臓がぎゅうっと収縮する。
ああ、この感じって。
もしかしなくても、惚れかけてる、私。
一夜を共にしたくらいでおかしいよ。
殺されかけたのに。
でもどうしても、目を閉じるたび、
あの赤が、思い浮かぶ。
するとコンコン、と遠慮がちなノックが聞こえ、まこちゃん、と優しい声がした。
「入っていい?」
「……いいよ」
「電気、点けるよ」
ぱっと明るくなる部屋。
布団から顔だけ出すと、セイ兄はドアを閉めてこちらに近づき、ベッドを背もたれにして床へ腰を下ろした。
「……セイ兄も、怒ってる?」
「怒ってはいないけど……心配したよ、かなり」
「う……。ごめんなさい」
「いいんだ、まこちゃんはもう大人だから。勝手に心配して不安がってるのは僕らの都合さ。それを頼まれてもない相手へむやみに押し付けるのは自分本位だ」
「っ……」