ポリスラインを翔びこえて
「放っておく優しさも時に必要なんだよね。きっとそれは親父もわかってはいるんだ。けれどまこちゃんが世界一かわいい娘だからつい、お節介してしまうんだよ。だから許してあげて」
とんとん背中を軽く叩いて慰めてくれるセイ兄。
何かあるたびこうやって私の味方をしてくれる。
セイ兄は昔から私の正義のヒーロー。
だから、ほら。
「うっ……セイ兄が優しすぎるからっ」
滅多に泣かない私はセイ兄の前だと崩れる。
ぼろぼろ溢れる涙は頬と布団を濡らしてゆく。
「一体何があったの?話せる範囲でいいから教えてほしいな。まこちゃんを泣かすなんて僕が許さない」
「……ほんと、くだらないことなんだ」
「くだらないこと?」
「好きな人が……できた、かも」
「……好きな人?」
「人助けのつもりだったけど、他の人には絶対しないところまで世話焼いちゃって。変なやつだけど、不思議と心を許しちゃうの。初めて会ったのに懐かしい感じがする。こう、胸がぎゅうって、酸っぱい感じがするの」