意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい
「それにしても、本当にもったいないですね。その顔をこの業界で使わないなら那原と交換してほしい」
「そしたらキミの面白さは半減してしまうよ」
「ちょ、及川さん、それどういう意味すか」
盛り上がっているところに食事が運ばれてきて顔の話はそこで終わりを告げた。
ようやく田沼から解放されると思っていた那原だったがそうはいかないようだった。
田沼はとんでもなく速く食べる男で、頬に付いた米粒をぴんと飛ばすと那原の顔を再び覗き込んだ。
「食べ方も綺麗だなぁ。どっかのお貴族様みたいだ」
那原は、それに対しても笑みを浮かべるだけに留めた。
「那原、アニメまーったく見ないんですけど、どんな作品をやってるんですか?」
「直近の仕事は乙女ゲームが多いですね」
「乙女ゲーム! 絶対にやらないわ!」
「でしょうね」
「那原くんは『アルベルト皇帝の復讐』って作品の主役をやってるよ」
及川は那原の代わりに代表作を伝えた。
「ああ! それなら知ってますよ。ファンタジーのくせにめちゃくちゃ興行収入いってたアニメっしょ? 実写化しますよね、ほら、なんか売り出し中の若手俳優の園田くんだっけ? 彼で」
「詳しいな」
「この前、クイズ番組で園田くんに会いましたから、頑張って番宣してましたよ。まあ、しゃべったことはないけど」
そこで田沼が再び那原をじっと見つめる。
那原は気にせず、美しい所作で豆腐を箸で切って食べているところだった。
「あんたが実写でいいじゃん」
「はははっそれは那原くんを知っている誰もが思っているよ」
及川が豪快に笑ってスタッフたちも大きく頷いていた。
「僕は声専門なので」
「確かに透き通るような声してるな。その声にその顔だったら業界でトップに君臨できるでしょ、もったいないな~」
「そんなに簡単な世界じゃないですよ」
「謙虚ぉ~」
すると田沼は何か思ったところがあったようで、すっと気味の悪い笑みを浮かべた。
「そしたらキミの面白さは半減してしまうよ」
「ちょ、及川さん、それどういう意味すか」
盛り上がっているところに食事が運ばれてきて顔の話はそこで終わりを告げた。
ようやく田沼から解放されると思っていた那原だったがそうはいかないようだった。
田沼はとんでもなく速く食べる男で、頬に付いた米粒をぴんと飛ばすと那原の顔を再び覗き込んだ。
「食べ方も綺麗だなぁ。どっかのお貴族様みたいだ」
那原は、それに対しても笑みを浮かべるだけに留めた。
「那原、アニメまーったく見ないんですけど、どんな作品をやってるんですか?」
「直近の仕事は乙女ゲームが多いですね」
「乙女ゲーム! 絶対にやらないわ!」
「でしょうね」
「那原くんは『アルベルト皇帝の復讐』って作品の主役をやってるよ」
及川は那原の代わりに代表作を伝えた。
「ああ! それなら知ってますよ。ファンタジーのくせにめちゃくちゃ興行収入いってたアニメっしょ? 実写化しますよね、ほら、なんか売り出し中の若手俳優の園田くんだっけ? 彼で」
「詳しいな」
「この前、クイズ番組で園田くんに会いましたから、頑張って番宣してましたよ。まあ、しゃべったことはないけど」
そこで田沼が再び那原をじっと見つめる。
那原は気にせず、美しい所作で豆腐を箸で切って食べているところだった。
「あんたが実写でいいじゃん」
「はははっそれは那原くんを知っている誰もが思っているよ」
及川が豪快に笑ってスタッフたちも大きく頷いていた。
「僕は声専門なので」
「確かに透き通るような声してるな。その声にその顔だったら業界でトップに君臨できるでしょ、もったいないな~」
「そんなに簡単な世界じゃないですよ」
「謙虚ぉ~」
すると田沼は何か思ったところがあったようで、すっと気味の悪い笑みを浮かべた。