意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい

2章

翌日、出勤したばかりの私の元に衝撃の知らせが届いた。

それは登録してある『愛君』のファンサイトからのメール。

『アニメ化』の文字。

スマホは手の震えで揺れた。


『紗枝:どうしよう。愛君がアニメ化!』


即、麗依に記事を送った。


『麗依:マジ? 私、先見の目あるな』


すぐさま返信が来る。


『紗枝:放送局見て』

『麗依:‼』

『紗枝:やっぱり、私がエレベーターで一緒になった人って』

『麗依:マジ!?』

「ちょっと、ちょっと! 紗枝ちゃん!」

興奮した様子で桃美さんがやってきた。

昨日の今日で、少々気まずかったが、なるべく平常心でいつもの笑顔を見せる。


「桃美さん、おはようございます」

「おはよう! そんなことより、これ見て!」


それは『愛君』のポスターだった。


「ど、どどどど、どうしたんですか、これ!」


昨日の麗依に負けず劣らずのどもりだった。

類は友を呼ぶとは、このことだ。


「今、そこで壁に貼っている人がいて、一つ拝借してきたわ。返すけど」

「桃美さん……」


感動して涙が出そうになる。


「私の為に?」

「コレであってるわよね? 紗枝ちゃんが言ってたゲームの」

「はい、あってます!」


桃美さんはまったく引いていなかった。

コレを持ってきてくれたことで、私の不安は一気に吹き飛んだ。
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