幻の眷属
茨の道の入り口
「お前、また来たのか?」
「だって、ここ色んな本あるし。」
俺はおじいの家に入り浸っている。
ここは鬼の村。
この村の鬼は皆、酒と女が大好き。
昔は、人間の住む村で、女を攫って来てたが、最近、人間も知恵を付けて来たので村を襲いには行けなくなった。
だから、森に来た者達を攫っている。
まぁ、人間の肉は贅沢品だから、普段は、動物の肉だったり木の実を食べている。
周りの同い年の奴らは皆、女を抱きたがるが、俺はあまり興味が無かった。
昔に攫って来た女を皆で回している。
ここの女達は、俺は好きではない。
俺を見てない。
俺たちは、本来は鬼の姿だが、人間に会う時は、人間の姿になる。
女達は俺達の人間の姿しか愛さない。
鬼の姿になった途端、顔を歪ませる。
仕方のない事なんだろうが、しっくりこないのだ。
そんな時におじいに出会った。
大量の書物がおじいの家にある。
このおじいも昔から知ってるが、女を抱かない。
「なぁ、おじい。幻の眷属って何だ?」
「ん?」
「ここに幻の眷属って書いてる。何だ?」
「あぁ。幻の眷属とは、俺たち鬼にとって、一生に一度、出会うか出会えないかの女の事だ。身体はもちろん、心まで満たしてくれる女の事。」
「心まで?」
「あぁ。ここにおる女は皆、人間の姿だと喜ぶが、鬼になると怖がる。恐れる。鬼の姿になっても、恐れる事はせず、愛してくれる、所謂、運命の相手。」
「おじいは出会ったのか?」
「あぁ。一瞬、見ただけでもわかるんだ。気配も匂いも全てが、他の女と違う。その女といると心の中はとても温かく幸せに包まれる。まぁ、俺は、鬼の姿は受け入れてもらえなかったが…。」
「そんなにわかるものなのか?」
「わかる!自分の魂が、この女だ!って教えてくれるんだ。何だ?幻の眷属に興味あるのか?」
「まぁ…。いるなら会ってみたい…。他の女を抱いても何か違うんだ。しっくりこない。」
「あぁ。そうか…苦労するぞ?」
「良いよ。別に。でも、いるなら探してみたい。」
「俺はもう先は長くない…。お前にここの書物をくれてやる。大事にしろよ。」
「あぁ。もうすぐ死ぬのに寂しくないのか?」
「ん?あぁ。死んだらアイツに会えると思うと楽しみなんだ。」
他の鬼は死ぬ間際まで、色々と、もがくのに、おじいは、何故か幸せそうだ。
そんなにその女に会えるのが楽しみなんだろうか。
そしておじいは、土に帰って行った。
俺は、ここにある書物を読み漁り、美味しい酒の作り方を学んだ。
酒は、俺達鬼にとって一番の好物だ。
美味い酒を作れるのは、モテる条件の一つ。
甘い酒、辛い酒、果実酒、花から作る酒など色々な酒を作れるようになった。
そして、皆がめんどくさがる人間界に降りて、女を攫う役目も自分から志願した。
「下界にはこんな美しい景色があるのか…。」
殺風景の深い森しかない村とは違い、人間の村には色んな物があった。
俺はそれを一つずつ自分の家で再現した。
こんな殺風景の所に幻の眷属なんか来てくれないだろう。
そして、美しい4つの部屋が出来上がった。
女も呼んでみたが、皆、喜んでいたので、きっと幻の眷属も喜んでくれるだろう。
下界に降りる役目もそろそろ任期となり、俺は下界との繋がりが欲しくて、社に来る人間の処理の役目に着いた。
人間界には、昔、鬼が出た所に社を建てる習性があるらしく、その社を使って俺達は下界に降りる。
しかし、社にイタズラする者が現れる。
そいつらを排除する役目だ。
女が来たら、村に連れ帰り、男が来たら殺して皆で食べる。
その役目だ。
俺がその役目に就いてから、人間達が肝試しに来た。
そして、ここに来た者は、誰も帰さないので、その噂で、また肝試しに来るのだ。
流石に、警察という大量の人間が来る時は大人しくしておく。
社を壊されたら下界に行けなくなるからだ。
数百年経った。
現れない…。
周りは早い者で、子供も生まれた奴もいる。
本当に幻の眷属なんて存在するんだろうか…。
でも、おじいは出会ってる。
そんな時、まためんどくさい風習に呼び出された。
若い鬼が酒比べ、力比べをして、この村最強の鬼を決めるのだ。
そして、次の長になるのだ。
そしてその最強の鬼にだけ、酒呑童子という名前が与えられるのだ。
50年毎に、1試合での10試合連続勝ち続け、それに加えて、現在の酒呑童子様に戦いを挑み勝つ事。
そして、名前を貰ったら、毎年、挑んで来る奴らの挑戦を受ける。
それが酒呑童子になる条件だ。
酒比べ。
酒は色んな酒を作るほど好きだ。
それで出された酒を色々と飲んで研究していたら、いつの間にか、俺1人になっていた。
それから、森を使っての個人戦だ。
俺は、自分の能力で敵のいる場所を把握して、確実に攻めた。
誰かが戦っている。
『こ、降参だ!もう…戦えない…。』
「ははっ。降参?そんなモンねぇよ!』
『この戦いの約束事にあるはずだ!降参を言われたら、対戦を止めなければいけやいと。』
『誰もいねぇんだから、そんなの聞いてる奴いねぇんだよ。お前、鬼のくせに弱いんだよ!だから嫁も俺に取られるんだよ!けけけっ。』
『俺は戦いが苦手なだけで…っ。止めろ!降参だと言っている!』
『戦いにそんなモンねぇ!死ね!』
ザシュ!
「戦いにおいて、確かに降参は無い…。ただ…。これは村の長を決める戦い。という事は、村の民を守るのも長の役目だろ?」
「はっ!だったら俺を止めてみろよ!」
いきなり黒鬼が襲って来た。
「血の気の多い奴だな…っ!ったく!」
「ははっ!お前、酒の1番取った奴だろ?酒が強いだけじゃ長になれねぇ!」
相手は足が6本あり、蹴りを主に使って戦う戦術のようだ。
だったら…。
俺は木に登り、木に巻き付いたツルを男の足に巻き付けた。
そして、木に吊るした。
「ひ、卑怯者!堂々と戦え!」
「俺は、無意味な戦いはしない。お前、強いんだろ?だったら、ここで死なずに、もっと強くなれよ。こんなのに引っかからないくらいに。」
「うるせぇ!この野郎!」
黒鬼はツルを引きちぎり襲いかかって来た。
パッと避けるとそこは崖の上で…。
「おっとと…うわっ!」
背中を押した。
「強靭な肉体があればギリギリ助かる。お前の身体はどうなんだろうな。」
また森に隠れていよう…。
森の中に戻ろうとすると、先ほどの青鬼が付いてきた。
「何?」
「あの…さっきはありがとう。あれ…わざとだったんだろ?」
「何が?」
「黒鬼を崖に落としたの。アイツが襲いかかって来て避けたフリしてたけど、崖の方に誘ってたんだろ?突っ込んでくる事を予想して…。」
「いちいち言わなくて良い。だったら何?」
「わ、私の主人になってくれないか?」
「は?何、言ってんだ?」
「君に惚れたんだ。」
「気持ち悪い。」
「そういう意味じゃないよ!男としてだよ!」
「わかってるわ!そんなの俺は望んでいない。俺は、自分の欲望にしか興味ない…。」
「欲望って?教えてよ。」
「嫌…。」
「教えてくれないと付き纏うよ?」
コイツ本気だ…。
仕方ない…。
「俺は幻の眷属に会いたいんだ。ずっと探してる。」
「幻の眷属?」
「あぁ。会ったら一瞬でわかるんだと。自分の心が幸せに満たされるらしい。」
「へぇ。良いな…。私も会ってみたい…。」
「そうだろう?俺は絶対に会う!」
「でもさ…。もし、会えたらさ…。他の奴らに取られるかもよ?私の嫁みたいに…。とういうか、絶対取られるよ。取られない方法は一つだけ。酒呑童子になって、長になれば、女は独り占め出来る。」
「確かにそうだ…。仕方ない…。めんどくさいが、それでいこう。」
「私も手伝う。どうか私を君の右腕にして欲しい。」
コイツは頭が良いとわかる。
「わかった。じゃあここの長になるぞ。その代わり、もっと強くなれ。」
「君が稽古を付けてくれるんだろう?」
「調子が良いな。仕方ない…。わかった。」
「ありがとうございます!主人。早く酒呑童子様と呼ばせてくださいよ。」
「お前もな。やるぞ。」
それから俺は、青鬼の稽古を付け、自分も稽古を積んだ。
「あの…赤鬼様。その幻の眷属様とは、もちろん交尾するんですよね?貴方が下手だったらどうなります?」
「っ!鍛錬…。」
「しといた方がよさそうですね…。」
俺は、女を抱きまくった。
四季の部屋にはもう女は入れない。
一般の部屋を作り、青鬼が情事の最中、部屋の隅に待機している。
『アイツ…。あくびしてやがる。自分がした方が良いって言ってたくせに…。』
女の身体を分析して、どこが感じる所なのかを徹底的に身体で覚えた。
それから毎回の力比べで俺達は勝ち上がった。
「だって、ここ色んな本あるし。」
俺はおじいの家に入り浸っている。
ここは鬼の村。
この村の鬼は皆、酒と女が大好き。
昔は、人間の住む村で、女を攫って来てたが、最近、人間も知恵を付けて来たので村を襲いには行けなくなった。
だから、森に来た者達を攫っている。
まぁ、人間の肉は贅沢品だから、普段は、動物の肉だったり木の実を食べている。
周りの同い年の奴らは皆、女を抱きたがるが、俺はあまり興味が無かった。
昔に攫って来た女を皆で回している。
ここの女達は、俺は好きではない。
俺を見てない。
俺たちは、本来は鬼の姿だが、人間に会う時は、人間の姿になる。
女達は俺達の人間の姿しか愛さない。
鬼の姿になった途端、顔を歪ませる。
仕方のない事なんだろうが、しっくりこないのだ。
そんな時におじいに出会った。
大量の書物がおじいの家にある。
このおじいも昔から知ってるが、女を抱かない。
「なぁ、おじい。幻の眷属って何だ?」
「ん?」
「ここに幻の眷属って書いてる。何だ?」
「あぁ。幻の眷属とは、俺たち鬼にとって、一生に一度、出会うか出会えないかの女の事だ。身体はもちろん、心まで満たしてくれる女の事。」
「心まで?」
「あぁ。ここにおる女は皆、人間の姿だと喜ぶが、鬼になると怖がる。恐れる。鬼の姿になっても、恐れる事はせず、愛してくれる、所謂、運命の相手。」
「おじいは出会ったのか?」
「あぁ。一瞬、見ただけでもわかるんだ。気配も匂いも全てが、他の女と違う。その女といると心の中はとても温かく幸せに包まれる。まぁ、俺は、鬼の姿は受け入れてもらえなかったが…。」
「そんなにわかるものなのか?」
「わかる!自分の魂が、この女だ!って教えてくれるんだ。何だ?幻の眷属に興味あるのか?」
「まぁ…。いるなら会ってみたい…。他の女を抱いても何か違うんだ。しっくりこない。」
「あぁ。そうか…苦労するぞ?」
「良いよ。別に。でも、いるなら探してみたい。」
「俺はもう先は長くない…。お前にここの書物をくれてやる。大事にしろよ。」
「あぁ。もうすぐ死ぬのに寂しくないのか?」
「ん?あぁ。死んだらアイツに会えると思うと楽しみなんだ。」
他の鬼は死ぬ間際まで、色々と、もがくのに、おじいは、何故か幸せそうだ。
そんなにその女に会えるのが楽しみなんだろうか。
そしておじいは、土に帰って行った。
俺は、ここにある書物を読み漁り、美味しい酒の作り方を学んだ。
酒は、俺達鬼にとって一番の好物だ。
美味い酒を作れるのは、モテる条件の一つ。
甘い酒、辛い酒、果実酒、花から作る酒など色々な酒を作れるようになった。
そして、皆がめんどくさがる人間界に降りて、女を攫う役目も自分から志願した。
「下界にはこんな美しい景色があるのか…。」
殺風景の深い森しかない村とは違い、人間の村には色んな物があった。
俺はそれを一つずつ自分の家で再現した。
こんな殺風景の所に幻の眷属なんか来てくれないだろう。
そして、美しい4つの部屋が出来上がった。
女も呼んでみたが、皆、喜んでいたので、きっと幻の眷属も喜んでくれるだろう。
下界に降りる役目もそろそろ任期となり、俺は下界との繋がりが欲しくて、社に来る人間の処理の役目に着いた。
人間界には、昔、鬼が出た所に社を建てる習性があるらしく、その社を使って俺達は下界に降りる。
しかし、社にイタズラする者が現れる。
そいつらを排除する役目だ。
女が来たら、村に連れ帰り、男が来たら殺して皆で食べる。
その役目だ。
俺がその役目に就いてから、人間達が肝試しに来た。
そして、ここに来た者は、誰も帰さないので、その噂で、また肝試しに来るのだ。
流石に、警察という大量の人間が来る時は大人しくしておく。
社を壊されたら下界に行けなくなるからだ。
数百年経った。
現れない…。
周りは早い者で、子供も生まれた奴もいる。
本当に幻の眷属なんて存在するんだろうか…。
でも、おじいは出会ってる。
そんな時、まためんどくさい風習に呼び出された。
若い鬼が酒比べ、力比べをして、この村最強の鬼を決めるのだ。
そして、次の長になるのだ。
そしてその最強の鬼にだけ、酒呑童子という名前が与えられるのだ。
50年毎に、1試合での10試合連続勝ち続け、それに加えて、現在の酒呑童子様に戦いを挑み勝つ事。
そして、名前を貰ったら、毎年、挑んで来る奴らの挑戦を受ける。
それが酒呑童子になる条件だ。
酒比べ。
酒は色んな酒を作るほど好きだ。
それで出された酒を色々と飲んで研究していたら、いつの間にか、俺1人になっていた。
それから、森を使っての個人戦だ。
俺は、自分の能力で敵のいる場所を把握して、確実に攻めた。
誰かが戦っている。
『こ、降参だ!もう…戦えない…。』
「ははっ。降参?そんなモンねぇよ!』
『この戦いの約束事にあるはずだ!降参を言われたら、対戦を止めなければいけやいと。』
『誰もいねぇんだから、そんなの聞いてる奴いねぇんだよ。お前、鬼のくせに弱いんだよ!だから嫁も俺に取られるんだよ!けけけっ。』
『俺は戦いが苦手なだけで…っ。止めろ!降参だと言っている!』
『戦いにそんなモンねぇ!死ね!』
ザシュ!
「戦いにおいて、確かに降参は無い…。ただ…。これは村の長を決める戦い。という事は、村の民を守るのも長の役目だろ?」
「はっ!だったら俺を止めてみろよ!」
いきなり黒鬼が襲って来た。
「血の気の多い奴だな…っ!ったく!」
「ははっ!お前、酒の1番取った奴だろ?酒が強いだけじゃ長になれねぇ!」
相手は足が6本あり、蹴りを主に使って戦う戦術のようだ。
だったら…。
俺は木に登り、木に巻き付いたツルを男の足に巻き付けた。
そして、木に吊るした。
「ひ、卑怯者!堂々と戦え!」
「俺は、無意味な戦いはしない。お前、強いんだろ?だったら、ここで死なずに、もっと強くなれよ。こんなのに引っかからないくらいに。」
「うるせぇ!この野郎!」
黒鬼はツルを引きちぎり襲いかかって来た。
パッと避けるとそこは崖の上で…。
「おっとと…うわっ!」
背中を押した。
「強靭な肉体があればギリギリ助かる。お前の身体はどうなんだろうな。」
また森に隠れていよう…。
森の中に戻ろうとすると、先ほどの青鬼が付いてきた。
「何?」
「あの…さっきはありがとう。あれ…わざとだったんだろ?」
「何が?」
「黒鬼を崖に落としたの。アイツが襲いかかって来て避けたフリしてたけど、崖の方に誘ってたんだろ?突っ込んでくる事を予想して…。」
「いちいち言わなくて良い。だったら何?」
「わ、私の主人になってくれないか?」
「は?何、言ってんだ?」
「君に惚れたんだ。」
「気持ち悪い。」
「そういう意味じゃないよ!男としてだよ!」
「わかってるわ!そんなの俺は望んでいない。俺は、自分の欲望にしか興味ない…。」
「欲望って?教えてよ。」
「嫌…。」
「教えてくれないと付き纏うよ?」
コイツ本気だ…。
仕方ない…。
「俺は幻の眷属に会いたいんだ。ずっと探してる。」
「幻の眷属?」
「あぁ。会ったら一瞬でわかるんだと。自分の心が幸せに満たされるらしい。」
「へぇ。良いな…。私も会ってみたい…。」
「そうだろう?俺は絶対に会う!」
「でもさ…。もし、会えたらさ…。他の奴らに取られるかもよ?私の嫁みたいに…。とういうか、絶対取られるよ。取られない方法は一つだけ。酒呑童子になって、長になれば、女は独り占め出来る。」
「確かにそうだ…。仕方ない…。めんどくさいが、それでいこう。」
「私も手伝う。どうか私を君の右腕にして欲しい。」
コイツは頭が良いとわかる。
「わかった。じゃあここの長になるぞ。その代わり、もっと強くなれ。」
「君が稽古を付けてくれるんだろう?」
「調子が良いな。仕方ない…。わかった。」
「ありがとうございます!主人。早く酒呑童子様と呼ばせてくださいよ。」
「お前もな。やるぞ。」
それから俺は、青鬼の稽古を付け、自分も稽古を積んだ。
「あの…赤鬼様。その幻の眷属様とは、もちろん交尾するんですよね?貴方が下手だったらどうなります?」
「っ!鍛錬…。」
「しといた方がよさそうですね…。」
俺は、女を抱きまくった。
四季の部屋にはもう女は入れない。
一般の部屋を作り、青鬼が情事の最中、部屋の隅に待機している。
『アイツ…。あくびしてやがる。自分がした方が良いって言ってたくせに…。』
女の身体を分析して、どこが感じる所なのかを徹底的に身体で覚えた。
それから毎回の力比べで俺達は勝ち上がった。