幻の眷属
少しすると、私は2人目を妊娠した。

紅丸もおっぱいは卒業して、木の実や人間の血を飲み始める

それは私が見るのは、多分無理だろうという事で、酒呑さんや、葵さんがやり方を教えてくれていた。

「かぁたま。かぁたま。」

トコトコと歩いて私の側に紅丸が歩いて来た。

鬼は成人になるまでは成長は早く、成人になるとゆっくりになり、千年以上生きるらしい。

1週間ほど経った後。皆は『狩り』に出かけた。

多分、人間を襲うんだろう…。

仲良くして欲しいけど無理なのかな…。

私が皆の帰りを待っていると、目の前に前に葵さんといた時にいた赤鬼が目の前に現れた。

「え…っと…。あ!すみません。まだ慣れていなくて…。奥方様…。」

跪き、頭を下げた。

「そんな事しなくて良いんです。えっと貴方は元々、下界にいたんですよね?気分はどうですか?」

「えぇ。こちらの方がとても良いです。前の記憶はあんまり残って無いんですが…。」

「名前もですか?」

「はい。亮…です。」

「亮さん。」

「これからは酒呑童子様にお仕えしますのでどうぞよろしくお願いします。」

「こちらこそどうぞよろしくお願いします。」

一礼して亮さんは、踵を返して、もと来た道を戻って行った。



それから私は2人目、3人目と子供を産んだ。

紅丸も立派な大人の鬼になった頃、私は8人目を妊娠していた。

「小春。今度は俺の子を孕んでよ…。アイツばっか小春の事、独り占めしやがって。」

「こら!紅丸!母さんと父さんでしょ!もう!変な事ばかり言わないで!」

「小春こそおかしいよ。母親だって抱いてる奴がほとんどなんだから。葵だってずっと我慢してるんだろ?」

「葵さんって呼びなさい!」

鬼は母親だからとか、そういう概念が無いらしく、男と女になる。

なので親子の間に子供ができる事も珍しく無い。

1人しか嫁に当たる人がいない酒呑さんの方が驚かれるくらいだ。

それでも、紅丸が私に手を出さないのは、酒呑さんが強くて、嫌な事をすれば、子供でも殺してしまうからだ。

家族というよりかは、個人の方がしっくりくる。

そして、数日後、8人目の赤ちゃんを産んだ。

「小春…。ありがとう…。本当にお前は俺の全てだ。愛してる…。」

あの時、酒呑さんと出会って人ではなくなったけど、とても幸せな生活を送っている。

お互いキスをして次の子が出来るよう願掛けの為、深く交わった。
< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop