歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
灯守先生の価値で私の本を売るのは間違っているのは知っている。
けれどこんな素敵な絵、私が独り占めするなんてもったいない。

「私のNyaitter見てるのに知らなかったんですか」

「だって悪いと思ってこの頃は見てなかったし。
……どうぞ。
また来る」

先生は新たな客に場所を譲りつつ、どこかに行ってしまった。

忙しく働き、閉会時間が近づいてきて撤収作業を始めた頃、先生は戻ってきた。

「手伝う」

「ありがとうございます」

一緒に撤収作業をし、会場をあとにする。

「結局、どれくらい売れたの?」

「いつもの三倍ですかねー」

これは私の力ではなく、灯守先生の力だっていうのはわかっている。

「やっぱ、画集出してくださいよ、画集。
みんな灯守先生の絵、欲しいんですよ」

「んー、白石が手伝ってくれるなら出すかなー」

「じゃあ、次は一緒にイベントですね!」

見上げたら、すぐ傍に灯守先生の顔があった。
驚いたのは束の間で、唇が一瞬、重なって離れる。

「え、今のなんですか!?」

「次のイベント、手伝ってもらう予約」

足早に歩きだした灯守先生の耳は、真っ赤になっていた。


【終】
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