触れられなくても、君がいい。 ――青い二人の、遠距離ロマンス。
目を覚まして視線を動かすと、カーテンの隙間からうかがえる窓の外は、まだ深い闇に包まれている。
枕元に置いていたスマートフォンを手に取り、画面を点ける。
十月最後の日曜日、午前四時。
予定よりも少しだけ早く起きられた。
不要になったアラームを解除し、一件のメッセージを送信した。
――――――――
航へ
おはよう。起きられたよ!
夏帆より
――――――――
彼もスマートフォンを買ってもらい、メッセージのやり取りができるようになってから、すでに半年ほどが経ったというのに。
文通のときの癖なのか、いまだに『航へ』『夏帆より』を書かないと落ち着かない。