触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
「ハイ……」
「今年の冬、俺の誕生日の前後とかで……東京に行ってもいい?」
「えっ、うん。もちろん……ありがとう」
会えるのなら、いつだってどこだって嬉しいけれど。
やっぱり彼の特別な日は、直接お祝いを伝えたい。
「そのとき……二人きりで、過ごしたいんだけど……」
「…………」
「意味……伝わる?」
慎重に紡がれる言葉と、向けられた熱を帯びた瞳。
その『意味』は――すぐにわかった。
背中に感じるベッドの柔らかさと、航の腕の強さ。
それらは私の心拍を上げていく一方で、絶対的な安心感も与えてくれる。
だから、こわくはない。
見つめ返したまま、私は頷いた。
嵐から逃れたこの小さな部屋で。
私たちは、冬の約束を静かに交わしたのだった。