触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
 ◇

 人が絶え間なく行き交う東京駅の構内。
 それでも航は、いつものごとく目ざとく物陰を見つけ、私の手を取ってそっと引き込んだ。

 触れるだけの、控えめなキスが落とされる。
 そして、確認するように囁かれた。


「……俺の?」


 小宮山が親しげな口調で電話に出たことだろう。

「うん……」

 ブレザー越しにぎゅっと抱きつきながら、頷いた。

 その後、入場券を買ってホームまで行き、航を見送った。
 またすぐに会えるとはわかっていても、たまらなく離れがたかった。
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