触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。

「予定通り……会えるの? 今日、急遽来てもらったから、来月は無理なのかなって……」

 宿を手伝い、ご両親からアルバイト代をもらっているとはいえ、何度も気軽に来られるわけではない。
 だから、今日は『来月の分の前倒し』かもしれないと考えていたのだ。

「どうにかして来るよ……そりゃあ」

 そう言った横顔は、拗ねているようだった。
 二か月続けて会えたことなんて今までになく、ただただ舞い上がる。

「……やったあ。待ってるね」

 今度は私が、航の肩にもたれかかった。
 すると、ぼそりと呟かれた。


「夏帆の制服姿、可愛い」


 ありふれたデザインの、ネイビーのセーラー服なのだけれど。

「え、あ……そう? へへ……」

 珍しくストレートに褒められ、内心で飛び跳ねてしまった。

 残された僅かな時間は、身体を寄せ、互いの体温を分け合った。
 二人とも、考えていることは、同じだったと思う。
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