触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。

もっとわからせてよ


 微睡の中。
 いつもの布団の上にある、もうひとつの体温を感じた。

 不意に頬を伝って落ちた涙を、指の腹が拭ってくれる。

 瞼を開け、数秒間、ぼんやりと見つめ返した。

 泣き疲れた私は、いつの間にか航の横で眠ってしまっていたらしい。
 前夜の寝不足も、あっただろう。

 しかし。
 すぐに我に返り、勢いよく身を起こす。

「……時間はっ?」

「三十分しか経ってないよ」

「…………」

 落ち着いている航から、フイッと顔を背けた。

 さっき、声を上げて泣いた自分を思い出し、恥ずかしさと情けなさでいっぱいになる。
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