触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。

「夏帆……ごめん。今日あんな話するの、本当に無神経だった。ごめん」

 後ろから、沈んだ声で謝られる。
 それにはただ、私への心配だけが滲んでいた。

 甘い空気なんて、どこにもない。

「…………」

 ワンピースの生地を、ぎゅっと握りしめる。


 せっかくの『約束の日』を、このまま終わらせたくない。
 さっきの涙なんて、全部上書きしてしまいたい。

 これは、私の意地なんだ。


 決意とともに、胸元のボタンに手をかけた。

 すごいスピードで脱ぎ捨てていく私に、航は息を呑み、目を逸らすのがわかった。

 恥ずかしい。でも――。

 あっという間にすべての服を床へ落とすと、背を向けたまま布団を被った。
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