触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
エピローグ
はじめまして
薄紅色の蕾が、潮風の中でほどけていく頃――。
白に囲まれた空間。
そこに、誰も知らない深くて青い世界がある。
不安げな指先。
それをただ、強く握ってやることしかできないけれど。
繋がれた感触だけを頼りに、少しずつ浮上していく。
息継ぎのできない時間もあった。
それでも、何度も波を越えてたどり着いたその場所は――。
途方もなく美しく、愛おしい景色だった。
小さなその姿が、目の前に現れた瞬間。
汗と涙に濡れた君の瞳は、朝陽を受けた海面のように、静かに満ちていくのがわかった。