触れられなくても、君がいい。
知りたくなかった一面
航に連れられて山へ入ると、木々に囲まれた薄暗い神社に到着した。
すでに結構な数の男女が集まっていた。
十五人くらい、いるかもしれない。
そのうちの何人かが、歩いてくる私たちに気づく。
「あ、航の友達ー?」
航は「そう」と短く答えた。
「町田夏帆です……お邪魔します」
やや緊張しながら頭を下げると、数メートル先から「おお!」と聞こえた。
声の主は、かなり日焼けした男の子。
小走りで、駆け寄ってくる。
「航がいつも世話になってまーす!」
そして、人懐っこく挨拶してくれた。
「えっと……こんにちは」
その勢いに戸惑う私に、隣の航から「これが悠也」と教えてもらう。
「……ああ!」
手紙で名前だけ知っていた彼と、目の前の顔が一致した。
お洒落に気を配っていそうで、航とは違った大人っぽさがあった。